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2012年08月 アーカイブ

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これからのこと。


残間里江子さんのブログに書いてあった。

.....アポロ11号から43年。
思えば長く生きてきたものだと、
妙なところで合点し、
「まだまだこの先、
いろんなことが起きるのだろうな」と、
波瀾の未来に、
「覚悟」を新たにした。

すごく共感したので丸写し。

戦後、焼野原から立ち上がり、高度経済成長を果たした日本にとって、その未曾有の経済成長力と技術力が、「軍隊」に匹敵する「武器」だったと思う。
その「武器」が失われて来た今、本物の武器を使わなければ、やられっぱなしになるということなのだろうか。
領土はガンガン実効支配され、天皇陛下は侮辱され、首相の親書は突き返され、大使の車が襲われて国旗が奪われた。
ナメられ方も半端じゃない。
東日本大震災からの復興が、戦後の日本のような世界を唖然とさせる力になることはないんだろうか。
復興、防災のための技術革新と公共事業がうまく行けば、雇用も進み、経済も勢いよくまわり出す。その姿が、再び日本が一目置かれるきっかけとなる。
それを願いたい。

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かぞくのくに


この前見たブラジル映画『汚れた心』にも打ちのめされたけれど、今日見た『かぞくのくに』も凄かった。
帰国事業で北朝鮮に帰国した兄は病をえて、25年ぶりに治療のために日本に戻って来る。3ヵ月の期限つきで・・・。
『汚れた心』も『かぞくのくに』も、どちらもテーマの重さがはんぱではなく、監督の「これを描きたい」という想いが、強烈に画面からあふれていた。
コラムニストの勝谷誠彦さんが、「“自由”と“人権”は人類普遍の価値である」と書いておられたけれど、2本の映画は、そのことを痛いほど教えてくれる。
『かぞくのくに』の井浦新さんの哀しいまなざしが、たまらなかった。
安藤サクラさんも、小手先ではない芝居で、演技することの重さを知っている感じがした。
私も力強い仕事をしたいと、切実に思う。

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きっとまた騙される。


消費税増税分を社会保障制度にどう反映するか、論議されているんだろうか。
ぜんぜんそんな話は聞こえて来ない。
このままだと、増税分は社会保障に反映されないだろう。
竹島の問題を隠れ蓑にして、首相はまた嘘をつくだろう。
議会制民主主義において、国民の代表である政治家は、国民との約束を破ってはならない。
その基本を、国民も忘れてしまっている。
仕方ないではすまされない。
黙っていたら、何をやられるかわからないと思う。
だから私は、同じことを何度も、このページに書いているのである。

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ブラジル映画『汚れた心』


ブラジル映画『汚れた心』を見た。
素晴らしかった。
描き足らない部分を言えばいろいろあるけれど、敗戦を信じなかったブラジルの日本人移民達を、台詞も日本語で描いたブラジル人監督の心意気は凄いと思う。
日本人俳優もみな肝の据わった仕事ぶりで、胸打たれた。
伊原剛志、余貴美子、圧巻。
もっとメジャーな配給に乗れたらよかったのにな・・・と思うと残念である。

『アマデウス』などを書いた劇作家のピーター・シェイファーは、人間は感動することによってのみ変化する。と言っている。
教室の授業で、戦争で大勢の命が失われたことは教えられる。しかし、それがいかに恐ろしいことか、悲しいことかは、映画や芝居やテレビを見て、心ふるえた時に腹の底からわかる。
感動だけが人を変えるのと。
この映画もそういう映画だと感じた。

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ワルキューレ


ワーグナーの『ニーベルングの指輪』4部作の中の『ワルキューレ』を、東劇のMETライブビューイングで見る。
何と上映時間5時間15分。
4部作全部見たら15時間かかるので、とりあえず1本だけ・・・。
この前見た『マノン』も4時間以上あって、結構寝てたけど、ワーグナーの音楽は、やたらと心をかき立てるので、ぜんぜん眠くならない。
ヒットラーがワーグナーを好んだのは、この高揚感のせいだろう。
物語は日本の神話のようなもので、出て来る“神”はみな未熟で間違いを犯す。欲望過多で感情的で、近親相姦は当たり前。
それにしても、人はなぜ、神をそういう未熟者にしたがるんだろうか。

写真は明治神宮の庭。
歩いていると、このあたりの“気”がいいと感じる。

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1番。


オリンピックが終わった。
北京の時は、『四つの嘘』という連ドラを書いていて、ゆとりがなかったように思うけれど、今回はテレビやネット中継で自宅観戦に明け暮れた。
そして思った。
金メダルを取る人は、圧倒的に強い。
2位3位は僅かな差である場合が多いが、1位はおおむねダントツだ。
レスリングの吉田沙保里選手の揺るぎない強さ。
男子サッカーのメキシコチーム、陸上のウサイン・ボルト選手、競泳のマイケル・フェルプス選手、シンクロナイズスイミングのロシアチームなど、他の追従を許さない姿が印象的だ。
持って生まれた才能と努力はもとより、すべてのことがうまく回って勝利に輝く人は、神に選ばれた人なのだと思う。
それにしても、1番というのは、2番とはぜんぜん違うんだということが、こんなに痛いほど感じられるオリンピックは、今まであっただろうか。
国の代表になり、オリンピックに出るだけでもめちゃめちゃスゴイ。
そのことへの深い敬意はありつつも・・・。銀メダルの多い日本人選手の姿に、1番への遠い道のりを感じた。

写真は夕陽を浴びるアラン君。

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今・・・。


なぜか漠然と不幸・・・。
連ドラを書いている時は、そんなことを感じる暇がないのに、来年、再来年、世に出る仕事を考えていると、何となく寂しい。
私の台本を今日か明日かと待っているチームがいないせいだろう。
私って、“今”という瞬間にだけ生きているんだな~と感じる。
『TAROの塔』という大森寿美男さんが脚本を書いた素晴らしいドラマが、2年くらい前にあったけれど、その中に、タローの「将来なんてない。今ないものは将来もない」という台詞があった。
あの見事な台詞は、大森さんのものなんだろうか、岡本太郎さんのものなんだろうか?
どっちにしても、今しかないのだ。どうなるかわからないことをやっていると寂しいのだ。
そのドラマの中には、他にもいい台詞がいっぱいあった。
「人を励ますな。自分のことだけ必死でやれ」
「敵はピープルだ」
「芸術は心地よくあってはならない。芸術はイヤったらしくなければならない。ピカソの絵がイヤったらしいように」
2年たっても視聴者が覚えている台詞を書く大森さんは凄いな~と思い、私は何やってんのかな~と思って、また寂しくなった。

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政治家の本音


今日発売の週刊新潮に、小泉元首相が谷垣自民党総裁に、三党合意を破棄し、消費費税増税法案を参院で否決し、内閣不信任案を提出し、民主政権を倒せと指南したと書いてあった。
どの面下げて、自民党は今更法案を否決するんだろう?
民主党も自民党も消費税増税は必ず行うつもりなのに、解散して何を国民に問うんだろう?
しかし、昔から“戦”とは、そういうものだという気もする。筋なんか通す必要はない。勝てばいいんだ、きっと。
石田三成くらいだろう、筋を通すために戦をした人は。
と思っている時、知り合いの政治家がこう言った。
「政治家だって、まず大事なのは個。それから党、それから国家です。だから選挙なんか、誰もしたくないのが本音ですよ。今持っている議席は1日でも長く持っていたい。だから解散総選挙は、そう簡単ではないでしょう」
国会議員は国民の代表であり、その点において、我々普通の人間とは立場が違う。天下国家は第一義ではなく、個が大事だと言い切るなんて・・・。
言葉を失うご意見だった。

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日経新聞夕刊


フェデラーに気を取られていましたが、昨晩から日経新聞夕刊「人間発見」で、連載が始まりました。
記者のインタビューに6時間くらい答えたものが、6回にわたって掲載されます。
よかったら日経新聞夕刊、見てネ。

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銀メダル・フェデラー


フェデラー、負けた・・・。
寂しい・・・胸が痛い・・・。
フェデラーが負ける試合じっくり見たのは、2008年、ウインブルドンでナダルに6連覇を阻まれた時以来だ。
ライブストリーミングで試合を見ると、解説も何もないので、スタジアムの歓声もはっきり聞こえて臨場感がある。
わかりやすく解説してくれるのもありがたいけど、解説なしで見るのもいいものだと、今回思った。
だって考えるもの。今のプレーはどういうことだったんだろう? とか。
自分が普段、いかにテレビを頭を使わず見ているのかということを、皮肉にも自覚させられた。
やっぱりボーっとではなく、ジ~っと頭を使って見てもらえるドラマを創りたいな、と思う。
どうして? と視聴者が首をひねって深く考え込んでしまうような出来事や台詞を積み重ねて・・・。
フェデラーが負けて、私は結局そこにたどりついた。

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フェデラーに金メダルを。


NHKライブストリーミングで、フェデラーの試合を追いかけるのに忙しい。
決勝進出で銀メダル以上確定。よかった。ひとりPCの前で拍手。
この人に入れ込んで久しい。
それにしても、常にスタンドで観戦しているフェデラー夫人の貫録が圧巻。
誰よりも目立っているし、堂々としている。
オリンピックの場合、日本人選手の夫人が観戦していることもしばしばあるけれど、どこかひっそりだ。
女性が強い時代になっても、日本人の中の「妻はひっそり見守るのが美徳」という価値観は生きていると感じる。
文化の違いを、しみじみ感じる瞬間だ。
でもそんなことはどうでもよくて、フェデラーに金メダルを・・・と願う私。

写真は、地球儀でロンドンのあたりを見ているアラン君。

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