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2024年02月 アーカイブ

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今日、8話です。
このドラマでは、なかなか会えないまひろと道長が、同じ月を見上げたり、運命が大きく動く時に月が印象的に表現されています。
で、その月なんですが、毎回、このドラマの内容や状況に合わせて、月を特別のカメラで撮影しているのだそうです。その話を先日の台本打ち合わせの時に聞いて、たまげました。そんな凝ったことやってんのかい、と思って。こういう所がさすがNHKです。月にもぜひご注目下さい。撮り下ろしのオリジナル月です。

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7話

今日は7話です。
もう正午のBS4Kは終わってしまいましたが。
散楽の所でかかる冬野さんの音楽が、その日生きることに精一杯な下々の民へのやさしさに満ちていて、胸に染み入ります。中島チーフ監督の音楽の使い方も秀逸。気づかずに過ぎてしまうようなところなんですけど・・・音楽も演出もうまいです。
韓流手法で、ベタな音楽入れっぱなしになるのは大河の場合どうかと思いますが、うまいきっかけで音楽が入って来ると、ドラマが何倍もエモーショナルになります。タイミング何分の1秒の違いでぜんぜん違って来るんですよ。
6話の「俺達の影はみな同じ方を向いている」のシーンも、忍び寄るようにス~っと入って来る音楽が絶妙で、グッと来ました。
それと、ネタバレですが、今日の打毬のシーン、道長、直秀、公任、斉信の乗馬の技術が見事です。
馬を走らせながら球を打つという高等技術で、キャスティングが決まってからずっと、このシーンのために練習を積んで来たのです。注目して下さい。
7話、見てネ。

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国立劇場再建の見通しなし

国立劇場の建て替えの見通しが立たないとニュースでやっていた。
そもそも閉館時に再建の見通しがないのも、信じられないと思っていたが・・・。
歌舞伎や文楽など、この国伝統の文化を守らない国って何なんだろう。
国立劇場は、オーストリアのウイーンにおける国立歌劇場と同じである。
オペラ見に行くか行かないかは別にして、国立歌劇場のない暮らしはウィーンの人には考えられないだろう。
文楽の方達は、今いろんなホールを転々とされていて、本当に大変だろうし、見に行く方も不便だ。私は時々国立劇場に文楽を見に行っていたが、よく知らないホールに行く気分にならない。こういう時こそ行かねばと思うのだが、気が乗らない。こうしてお客は減ると思う。
華やかな舞台がなければ、目指す人も少なくなる。
信じられない事態だと思うが、みんな諦めムード。
国は、このままほっておく気なんだろうか。
今日もニュースの片隅で、サクッと伝えられていたが、とんでもないことだと思う。

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オードリー

朝ドラ「オードリー」の再放送が発表されました。
「ふたりっ子」は、山本太郎さんが政治家でいる限り、再放送はむずかしいそうです。無念です。「光る君へ」の時代考証、倉本先生も「ふたりっ子が大好きだ」とおっしゃって下さっているのにな~。
「オードリー」は無名の新人だった蔵之介さんがダントツに美しいです。品がいいんですけど、たまげる狂気もあり、これはスゴイ役者になると予感しました。
その他はどういう話を書いたのか、あまりよく覚えていません。自分の歴史から消していた・・・という作品ではないんですけども(笑) 
あの頃、蔵之介さんは稼業を継がず役者になったことで、お父様に勘当されており、実家には入れない。と言ってました。「今でも、勘当なんてあるんだ」と思ったのを思い出します。でもこの作品で全国区となり、お父様のお許しが出て実家に帰れたのですよ。私もお父様からお手紙をもらいました。その息子を想う親心溢れる文章に胸打たれたことがなつかしいです。
そういうことは思い出すんですけど中身が・・・。
あ、それと長嶋一茂さんも出ていて、偉大な父を持った人生の辛さを一杯聞かせてくれて、衝撃を受けましたね。今でもテレビに一茂さんが映ると、その話がブワッと頭に蘇ります。

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6話ラストの歌と高野晴代先生

6話のラストで道長がまひろに送った和歌、
『ちはやぶる神の斎垣も越えぬべし 
    恋しき人のみまく欲しさに 』
は、伊勢物語からの引き歌です。
私が、ここで道長がまひろに歌を送りたい。もう我慢できないくらい好き、的な。
とお願いし、和歌考証の高野晴代先生が元歌を探して、更にアレンジして下さいました。
元歌は、
『ちはやぶる神の斎垣も越えぬべし 
大宮人のみまく欲しさに 』
です。 大宮人→恋しき人
そのように交渉の先生の尊いアイデアをいただきつつ、脚本を作っています。
簡単に書きましたが、あの時代の膨大な和歌の中から適切なものを探すのは、とんでもない学識がないと出来ません。本当に考証の先生方にはお世話になっているのです。
ちなみに高野先生は平安時代の和歌の研究の第一人者で、私と中学、高校、大学の同期。
日本女子大学の元文学部長でした。
若い頃はお勉強一筋の高野先生と、へらへら生きていた私とは激しい距離があり、あまり話したこともなかったのですが、大人になって仕事を持ってから仲良くなり、今回も手を貸して下さることになったのです。


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漢詩の会と清少納言

明日6話です。
ベテラン、黛りんたろう監督の演出が格調高くオトナっぽく、平安の時間の流れを、ゆったりと感じる画面です。
後半行われる漢詩の会も、書いている時はどういう絵柄になるのかさっぱりわかりませんでしたが、
美術部渾身の「道隆の屋敷」の広間、
漢詩考証の赤井先生と漢詩担当の助監督渾身の漢詩の朗詠、
誰が書いたのかわからないくらい「へえ~、こういう雰囲気なんだ」と思いました。
ぜひ1000年前の文化を、皆様も感じて下さい。
清少納言も登場します。
まひろも私の台本では、気難しいこじらせ女の側面が強いんですが、吉高さんが演じると実にチャーミングになります。清少納言もファーストサマーウイカさんがやることで、愛嬌もあるかわいい生意気になってます。
ぜひ見てネ。

〈 ここからネタバレです〉
おイヤな方は読まないで下さ い 。
漢詩の会で再会するまひろと道長。言葉を交わすことは出来ない2人ながら、あふれ出てしまう道長の想い・・・。
この時の柄本佑クンのまなざしが見事です。柄本さんは何でも出来てしまうので、彼が苦労するような難しいことをたまには書いてみたいなと思い、まひろに対する「今まで見せなかった万感の想いを表情に表す」とト書きに書きました。「オオイシさん、どうせえちゅうねん、といつも思う」と言いながら、見事にやってます。
ご興味のある方は、ぜひご注目下さい。
漢詩の会の終わりの方です。一瞬ですけども。

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小澤征爾さん

小澤征爾さんが亡くなった。
遠からずこの日は来るんだろうと思っていたがショック。
書いていた原稿の手も止まった。
お目にかかったことはないけど、戦後日本の夢であり誇りだったと
思う。いろいろ書きたいけど、気持ちがまとまらない。
ご冥福を祈ります。

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間もなく5話です。

間もなく「光る君へ」5話の放送です。
まひろと道長のシーンは泣けます。
この仕事を受けた時、チーフ監督の中島さんに、
「毎回泣けるようなものにしたい」と言われ、
「え~、そりゃあ難しいな~」と思ったものです。
でも今のところ3回に1回くらいは泣けるようになっているような
気がします。
5話はぜひ、まひろと道長と一緒に泣いて下さい。

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