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2020年04月 アーカイブ

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センス

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VOGUEスペイン版の表紙だそうだ。
カッコイイ!
こういう時でも、このセンス。

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異なる意見

今日の昼間、『大下容子ワイド!スクランブル』に元厚労省医系技官・木村もりよさんという医師が出演していた。木村さんの意見は、要約すると以下のようなことである。
――新型コロナウイルスによる死者が1万人をはるかに越えているイタリア、フランス、スペイン、アメリカに比べて、日本の死者は31人。
この死者の少なさは奇跡的な少なさで、日本の医療水準の高さがわかる。
集団免疫が出来なければ事態は収束しないことを考えると、日々感染者が増えるのは当然で、感染者が増えるのに死者(及び重症者)が少ないのは、日本の医療がうまく行っている証拠である。
今この時点で、経済活動を止め、困窮する人を増やしてまで、緊急事態宣言を出すことは理解できない――
とても説得力のある説明だし、一つの見解だと感じたが、国の方針を批判することは絶対にしないワイドショーのコメンテーター達は、焦ってこの人に反論。司会者チームも真っ青。
コメンテーターは“毎日200人が肺炎で死んでいる。その人達を全部PCR検査したら、新型コロナウイルスに感染していたかもしれず、死者の数はもっと上がるはずだ”と同じことを幾度も繰り返して反論していたが、木村さんは“海外も肺炎で死んだ人のPCR検査はしていない”と反論していた。
いろいろな意見があるのは当然で、違う意見を紹介するのもニュースショーの大事な仕事である。国民には知る権利があるからだ。
事前打ち合わせがあったかなかったかはわからないが、この人を出演させたことは、この番組の英断だと思う。にもかかわらず対応するコメンテーター、司会者陣の動揺が、逆にワイドスクランブルが国の御用マスコミになり下がっていることをあらわにしているように、私には見えてしまった。
最後に男性アナウンサーが、「面白い議論でしたね」とケアーしていたのが唯一の救いだったけれど、この視点で、もっと話し合って欲しかった。国の対策本部に入っている感染症の専門医師と、木村医師はなぜこのように意見が異なるのかも、知りたかった。
大下容子さんには連続ドラマ『トットちゃん!』のナレーションを担当していただき、イベントでもご一緒し、ワイドスクランブルにも私は出演したことがある。大下さんはとてもステキな方だし、ワイドスクランブルのスタッフもスタジオもよい雰囲気だったことを思い出すと、批判的なことは言いたくないが、常に権力を監視するまなざしを忘れなで欲しいと、祈るような気持ちになった。
そんなこと、ニュースのプロ達はみんなわかっているはずなのに・・・。
正解か誰にもわからない時、大勢と違う意見を言う人を、同調圧力で魔女扱いしないようにしなければならないと感じた。

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試されている?

朝、のんびり起きて窓を開けたら、隣の保育園の桜が風に舞っており、まさに花吹雪のいい光景でした。だけど、我々は新型コロナに試されている感じで・・・。

劇作家・平田オリザさんのツイッターに、
『これはいい悪いではなく単純な疑問なのだけど、なぜ政府は音楽や演劇は主催者側に自粛を要請し、「接待を伴う飲食の営業」に関しては、行く人の方に自粛を要請するのだろう』
とあった。よくわからないな…と私も思った。

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和田秀樹先生の意見

4月1日産経新聞の「正論」に掲載された、和田秀樹先生の意見です。
これもなるほど・・・です。


新型コロナウイルスへの世界的パニックは、いつ終わりが迎えられるのかが読めない状況だ。実際、シンガポールやタイなどでも感染が起こっているのだから、インフルエンザのように夏になれば収束することも期待しづらい。

〈長期戦と集団免疫の発想 〉
 もちろん、特効薬やワクチンなどが開発されれば今の不安感はかなり緩和されるだろうが、数カ月の単位で期待するのはかなり困難だろう。
現時点で、感染拡大を防ぐという封じ込め型の対策が原則となっている。 ただ、このウイルスが、MERS(致死率35%)やSARS(致死率10%)ほど強毒性のものではないから、別の対策が考えられないことはない。 最近、集団免疫ということばをよく耳にするようになった。
感染して無事に治癒した人が増えてくると、その人たちは感染しないので、それが盾になって感染が広がらないという考え方だ。
 英国は、その考えであまり派手な規制を行わなかったが、感染が広まったために撤回したとされる。3月20日にはほかの欧州諸国に倣い英国全土の学校を休校にすることをジョンソン首相は発表した。死者が100人を超えたことが大きいようだ。
 私は、実は日本こそ、集団免疫的な発想が役立つと信じている。
 インフルエンザやコロナのような上気道のウイルス感染症は脳炎などにならず、死なないですめば、元の状態に戻ることができるし、免疫も獲得する。
 感染拡大を防ぐことも、もちろん大切だが、よしんばそれに感染しても、重症化せず、究極的には死に至らず、回復すれば元の生活に戻れるという考え方も重要なのではないだろうか。
 日本の場合、原則的にそれを疑わせる明確な症状がある人しか検査を行っていないので、3月30日には感染者数が約2000人になったとされているが、実数ははるかに多いだろう。
 また、検査の普及で見つかる感染者も多いだろうし、検査を受けていない感染者からの感染で、その数は増えていくはずだ。
 つまり、感染拡大に主眼を置いていたら、いつ収束を迎えるかは予想がつかない。

(高齢者医療の視点からも)
 しかし、感染拡大過程で集団免疫が生じることと、死者を増やさなければいいという発想に転じることができれば、多少は収束が見えてくるのではないだろうか。
 30日現在、日本の死者数は59人で年齢が公表されているケースはがん患者を除き、高齢者である。検査数を考えると感染者の実数はずっと多いだろうが、死者数の誤差はほぼないはずだ。 だとすると、これはかなり少ない数といえる。
実は、米国ではインフルエンザで今シーズンだけで1万2千人死んでいる。医者にかからないで死亡する(医療費の高さのため)人が多いので、3万人という推定もある。2017~18年のシーズンには6万人以上の死者を出したそうだ。
 また、日本でも毎年10万人以上が肺炎で亡くなっている。その9割以上が高齢者である。
 高齢者医療を30年以上やってきた私の見るところ、少なくともその3分の1くらいが、通常の風邪やインフルエンザをこじらせたものである。3万人以上の人が毎年、旧来型のコロナウイルスやインフルエンザウイルスで亡くなっているのである。
 海外の劣悪な医療水準では一定数の死者が出るかもしれないが、国民皆保険のおかげで通常の風邪でも医者にかかれる日本では、新型コロナウイルスが経済活動などを犠牲にしてまで感染拡大を防ぐことを最重視しなければならないほど怖いものとは思えない。過度な行動制限を行わないほうが集団免疫も期待できる。

( 安心感の発信重要なとき 〉
 その点で、安倍晋三首相の休校要請の継続解除の方向性は支持するし、過度なイベント自粛の継続は賛同できない。
 外出制限の弊害も小さくない。これは経済的なことだけでない。日光を浴びないことで神経伝達物質が減少し、うつ病のリスクは増す。免疫機能にも悪影響を及ぼすだろう。休校要請が継続されなかったからよかったもののこれが長期に続くと子供の学力や体力への悪影響は大きい。給食の牛乳提供をやめることで牛乳の売り上げが激減したということは家で飲ませないからだろうが、栄養状態にも悪影響が出ることだろう。
 専門家会議のメンバーを見る限り、免疫学者や精神科医、心理学者などは入っていない。
 行動制限の必要性をもっと多面的に検討してはどうだろうか。オリンピックの開催は延期になったが、この機会に日本の医療のレベルの高さを世界に宣伝すべきだ。
 感染予防は大切だが、感染の可能性はあっても、日本では、ほとんどがきちんと治ることや、訪日者も健康になって戻れるという内外への安心感の発信のほうが情勢の変化につながると信じている。(わだ ひでき)

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