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2011年01月 アーカイブ

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世外の徒


玄関のお塩。取替えないと・・・。

「昔から、人間には男と女と役者という種類があると言われている。だから役者に人間性を求めてはいけない。才能だけを見つめてつきあいなさい」
脚本の師匠、故宮川一郎先生に言われたのは遠い昔のことだ。
だから私は役者と親しくしないように注意して来たが、それでもふっと心を許すと、必ず痛い目にあって来たように思う。
そのたびに師匠の言葉を思い出して、私がバカだったと思ったものだ。
沢尻エリカの一連の行動や発言を見ても、海老蔵の事件を見ても、役者とは人の道からはみ出して生きる者だということが、よくわかる。
1月14日の朝日新聞の夕刊で詩人の高橋陸郎さんが、それを「世外の徒」と表現しておられる。
善悪未分の世界を、その心身を持って表現する役者は、誰も持ちえぬ輝きを天から与えられる代わりに、市民道徳社会からは石持て追われる覚悟も必要だ。いいとこ取りだけは許されない。
役者以外の人間も、役者に市民道徳を押しつけても、虚しいだけなのではないだろうか。
役者ほど劇的な存在ではないにしても、善悪未分の世界を描くという上で、私も少しヘンかも知れない。
師匠はまっとうな人だったけれど・・・。師匠の心の中は、どんな風だったんだろうか・・・? 亡くなって丸2年が過ぎて、そんなことをこの頃考える。

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NHK会長人事

すったもんだの末、NHKの新会長が決まった。
放送に関わる仕事をする者として、NHKの経営委員長も会長も、どちらも放送人ではないということに違和感を覚える。
テレビ朝日は代々、朝日新聞から社長が来ていたが、今の早河社長は初のテレビ朝日生え抜きだ。
『ニュースステーション』を立ち上げたプロデューサーでもある。
「組織改革だけでなく、テレビマンの誇りが大切だ」という社長就任時のコメントを聞いた時、胸を打たれた。当たり前のことだけれど、本当にそうだと思ったからだ。

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今年前半の仕事

2月10日(木)~2月27日(日)青山劇場
『愛と青春の宝塚 ~恋よりも命よりも~』
原作・脚本  大石静
演出      鈴木裕美
音楽      三木たかし
2002年5時間ドラマとしてフジテレビで放送され、2008年に舞台化。11万人の観客を動員したミュージカルの再演です。
輸入ミュージカルばかりの昨今ですが、これは日本を舞台にしたオリジナル・ミュージカルであることに、ささやかな誇りを感じています。
戦争とエンターテイメントというせめぎ合うテーマの中で、エンターテイメントの力と、それに関わる人間の情熱を謳いあげたいと思って書いた作品です。
音楽の三木たかし先生は初演の直後に亡くなりました。
先日、美しい音楽を稽古場で聞きながら、人の命に限りはあるけれど、作品は生き続けるのだということを、深く感じました。


5月20日(金)~6月20日(月)宝塚大劇場
7月 8日(金)~8月 7日(月)東京宝塚劇場
宙組公演『美しき生涯 ~石田三成、永遠の愛と義~』
脚本   大石静
演出   石田昌也
音楽   大島ミチル
大河ドラマ「功名が辻」を書いた時、社会的秩序も道徳も良心も存在しなかった戦国の世に、筋を通して生きた武将は石田三成だけだと感じました。
今回はその三成を主人公に、戦国ミュージカルを展開します。
愛する女を守り貫き、豊臣への忠義に生きた三成の人生は、さながら下克上の泥沼に咲いた一輪の花のように清廉で美しく、宙組トップスター大空祐飛にピッタリのキャラクターだと思っています。
激しい気性の茶々も、野々すみ花の新しい一面を開花させる役になるでしょう。

秋からはドラマもありますが、今年の前半は舞台2本です。
オオイシの新しい挑戦で、今、オーディションを受ける新人のような気持ちで書いています。
ご期待下さい。

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119番不通!


乾燥機から出たばかりの生暖かい洗濯物が大好きなアラン。

猫に起こされて寝ぼけ眼でテレビをつけたら、119番が何時間もつながらないという事態が昨日どこかであったと言っていた。
驚いた!
PCのサポートセンターがつながらなくてもイライラするのに、119番がつながらないなんて!
自分の大怪我、交通事故、病気、養母の心臓発作などで、私は何度も救急車に乗ったことがある。
当時御茶ノ水に住んでいたせいか、119番すると2分くらいで救急車が来て、それはそれは頼もしかった。
それが昨日は、家が火事でも家族が倒れて死にそうでも、自分が苦しくて死にそうでも、119番がつながらなかったと言うことだ。考えただけでも恐ろしい。
この国がダメになりつつある。そのことを象徴しているようでゾッとした。
お金が足りない足りないと言うけれど、去年は3、7兆円も税収は上がったと言うではないか。
何やってんだろうか。

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ウィーンフィル・ニューイヤー・コンサート


10年前の連ドラ台本。

今、仕事の手を止めて、NHK教育テレビで、ウィーンフィル・ミューイヤー・コンサートを見ている。
写真の連ドラをやるより更に数年前、年末年始が空いたので、ひとりでウィーンに行った。
この話、毎年お正月に書いているような気がするけど・・・ま、いいか。
ホテルで着物を着て楽友ホールのニューイヤーコンサートに出かけたら、すごい注目を浴び、晴れがましかったのを思い出す。やはり民族衣装は人の心を捉えるんだな~と思って。
ドイツ語しか通じないので、途方に暮れることもあったが、ウイーンは京都と似ており、住んだらよそ者には冷たいが、旅行者にはみんな親切で、何とか1週間乗り切った。
もう、言葉も通じない所にひとりで行くような元気はないかも知れないな。
私は音楽家ではないので、音のよさは普段はわからないが、楽友ホールの音響のよさはよくわかった。毛穴に染み入るような音を堪能したことがなつかしい。
また行きたいな~と思った。ひとりじゃなくて誰かとね。

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