profile & book works top page
star
­

世外の徒


玄関のお塩。取替えないと・・・。

「昔から、人間には男と女と役者という種類があると言われている。だから役者に人間性を求めてはいけない。才能だけを見つめてつきあいなさい」
脚本の師匠、故宮川一郎先生に言われたのは遠い昔のことだ。
だから私は役者と親しくしないように注意して来たが、それでもふっと心を許すと、必ず痛い目にあって来たように思う。
そのたびに師匠の言葉を思い出して、私がバカだったと思ったものだ。
沢尻エリカの一連の行動や発言を見ても、海老蔵の事件を見ても、役者とは人の道からはみ出して生きる者だということが、よくわかる。
1月14日の朝日新聞の夕刊で詩人の高橋陸郎さんが、それを「世外の徒」と表現しておられる。
善悪未分の世界を、その心身を持って表現する役者は、誰も持ちえぬ輝きを天から与えられる代わりに、市民道徳社会からは石持て追われる覚悟も必要だ。いいとこ取りだけは許されない。
役者以外の人間も、役者に市民道徳を押しつけても、虚しいだけなのではないだろうか。
役者ほど劇的な存在ではないにしても、善悪未分の世界を描くという上で、私も少しヘンかも知れない。
師匠はまっとうな人だったけれど・・・。師匠の心の中は、どんな風だったんだろうか・・・? 亡くなって丸2年が過ぎて、そんなことをこの頃考える。

­
­

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.5012.jp/ohishi/cgis/mt-tb.cgi/639

­

« 前の記事 | 次の記事 »