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けものみち

松本清張原作の『けものみち』が、テレビ朝日で始まりましたね。
ヒロインが勤めている料亭が出て来るけれど、実はあれ・・・私が生まれ育った実家の造りがモデルになっているらしいのです。
私の養母は、昭和元年から神田駿河台で、「駿台荘」という旅館を経営していました。お客様はほとんどが、出版社がカンヅメにする作家達。私が覚えている先生だけでも、松本清張先生、五味康介先生、五味川純平先生、開高健先生、江戸川乱歩先生、檀一雄先生など、きら星のごとき作家達が、同じ屋根の下で原稿を書いておられたわけです。
「駿台荘」の“書院”という名前の部屋は、中庭に面しており、そこから裏口に出られるようになっていて、外に出る秘密の通路のようなものとつながっていました。
ヒロインが、その秘密の通路を通って犯罪を犯すところを、今日の放送でもやっていましたが、私が育った「駿台荘」のことを思い出し、急になつかしくなりました。
大学生の頃、私がたまたま『けものみち』を読んでいたら、養母が、「その中に出て来る宿屋の造りは、うちと同じでしょ」と言ったのです。なるほどその通りで、驚きました。養母に案内させて、清張先生は、何度も、秘密の通路を通って外に出る時間などを計算なさっていたそうです。
清張先生は、ご自宅の書斎がお好きで、外ではあまりお書きにならなかったという話も聞いたことがありますが、「駿台荘」には、一時期、よくみえていたのだと思います。清張先生がお気に入りだった“書院”という部屋は、江戸時代の建築を移築して、建物の中に組み込んだもので、中庭の灯篭なんかも、
建築物と一緒に養母が買ったものでした。
昔、『けものみち』を読んだ時から、うちの書院から中庭のイメージが、私の頭にこびりついているので、
今日のセットは、ちょっとイメージとは違いましたが・・・。それにお客様のお布団なんかも、もっとすっごくいいお布団使っていたと思います。すいません、文句言って・・・。
ドラマ創っている者にとって、こういう視聴者が一番困るんですよね。

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