2007年03月 アーカイブ
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功名が辻ふたたび・・・。
能登の皆様、お見舞い申し上げます。
阪神大震災の時も知り合いが何人も被災し、辛酸をなめましたが、今回も友人一家が被災しました。
日本列島は世界一の地震のメッカで、明日は我が身と思うと、本当に他人事とは思えません。
心からお見舞いいたします。
お知らせが遅くなりましたが、『功名が辻』のDVD後半(28話~最終回)が発売になっております。
何だか遠い昔のような気がしますが、大河ドラマをご覧下さった方も、ご覧いただけなかった方も、ぜひDVDで戦国の夫婦愛をお楽しみ下さい。
自分で言うのも図々しいですが、面白いですよ!
タミフル
インフルエンザの特効薬、タミフルをめぐる問題だが、かつて奇形児を生んだ薬剤「サリドマイド」や、アメリカがベトナム戦争で使った「枯葉剤」を例に挙げて騒いでいるワイドショーがあり驚いた。その取り上げ方は、あまりにも安易だし、混乱を招くと思うからだ。
私もタミフルのお世話になったことがあるので、よくわかるのだが、あの薬は実によく効く。
もし、鳥インフルエンザが人間の体に入り、人間にも感染する強力な新型インフルエンザが発生し、世界に蔓延した場合、タミフルが特効薬となるだろう。
今日(3月23日)のニュースによれば、タミフルを飲んだ後に異常行動を起こしたとされる例が23件、死亡例が8件だそうだ。
8人の命を軽く思う訳では決してないが、一方でタミフルによって救われる命があることも忘れてはならない。
厚生労働省の調査も後手後手で頼りないが、すぐにタミフルを禁止しないから怠慢だという論調で、厚生労働省を叩くのも違うと思う。権力に立ち向うことこそ、ジャーナリズムの存在意味であるが、こういう立ち向かい方は筋違いで、逆に信頼を失うと思う。
何日か前、とりあえす10代の患者にはタミフルを使うことを控えるようにと声明を出した厚生労働省だが、その理由が、10代だと異常行動をおこした場合、親が取り押さえられないからだというではないか。そんな理由で10代への使用を控えろなんて・・・。
とにかくあれこれ言う前に、因果関係を調査して欲しい。
熱が高いだけでも子供は異常行動を引き起こすし、タミフルを使うようなインフルエンザは、高熱を伴う重い症状を伴っている。その患者の病状と、他の薬との併用など、因果関係はまだ何ひとつ明らかにされていないのに、タミフルを封印するような方向に行くことは問題だ。
過ぎ行く時間
NHKに行ったので、なつかしい大河のスタジオに寄ってみた。
今年の大河『風林火山』の主役、内野聖陽君や佐々木蔵之介君がいたら、激励して帰りたいと思ったからだ。でも、壁に貼られたスケジュール表を見たら、内野君の収録は午前中で終わっていた。な~んだと思っていたら、なつかしいスタッフに声をかけられた。
『功名が辻』の衣装も担当していたSさんに、「オオイシさんが来るなら、打ち掛け用意して待ってたのに」と言われ、胸が熱くなった。
「オオイシさんの大好きだった、お濃の蝶の打ち掛け、今度出しときますよ」
「キャッ! ホント~?」
「明日はウッチーもいますから、明日また来て下さいよ」
「ん~・・・明日、そのためだけに来るのもな~・・・」
大河のスタジオに行くと、兜かぶったり、打ち掛け着たりして喜んでいた1年前のことが昨日のことのように思い出されて・・・。
何もかもどんどん過ぎて行く。
新幹線の窓の外の景色みたいに・・・。
ドラマのお知らせです!
大河の最終回を書き上げた翌日から取り掛かった仕事が、やっと放送されます。
3月15日(木)夜8時~、テレビ朝日系列
『ミヤコ蝶々ものがたり』
久本雅美さんのミヤコ蝶々、ご期待下さい!
ミヤコ蝶々さんの人生は、すさまじいです。
小学校にも行かず、小さい時から一座の座長で、男を愛し、尽くした果てに必ず捨てられるということの繰り返しなのです。でも、晩年は自分を愛してくれた男の写真を、楽屋の化粧前に並べて飾り、その写真に手を合わせて、舞台に出て行ったそうです。カッコイイですね~! もうちょっと年をとったら、私も過去の男の写真を並べて飾るような女になりたいものです。
橋爪功さん演じる蝶々さんの最初の夫がセクシーで、見物です。日活の撮影所で収録を見ましたが、橋爪さんが、若き日の蝶々さんを背中から抱きしめ、耳元で「好きやで」というところなんか、女性のGプロデユーサーと私で、「あ~ん、あんな風に言われたら、誰だって落ちるよね~」って悶えていました。
南都雄二の山本太郎君もいい芝居しています。太郎君は「ふたりっ子」の時にいい役やったんですが、あれから見事に花開いた感じです。今、NHKの廊下ですれ違ったりすると、本当に華やかですもの。
ドラマ、ぜひぜひご覧下さいね。
秘境の旅
今、中国にいる。
中国と言っても実に広い。
北京とか上海なら3時間もあれば行けるのに、私が今いる場所は、東京から飛行機と車を乗り継いで17時間もかけて来た昆明という町だ。中国の秘境と言われている雲南省である。
紀元前に長江の上流にあった文明が、日本の稲作文化のルーツではないかということを探る旅だ。 私は都会が好きで、美しい自然よりビルの谷間の方が落ち着く人間だが、中国の秘境になんか仕事でもなければ一生行かないだろうと思って、NHKの「夢の古代文明紀行」という番組の中国編のナビゲーターを引き受けた。
今抱えている仕事のプロデユーサーは、何やってんだと、このページを見たら怒るだろうな~・・・と思いつつ・・・中国のいろいろな意味でも凄さ、恐ろしさをお伝えしたく・・・書いている。、
昨日は、雲南省に今も伝統を守って生きつづけている少数民族のひとつ、ワ族の若者を取材。今日は、昆明から更に車で2時間奥地に入って、イ族の村を訪ねた。
ワ族は今でも、赤と黒の民族衣装を着て、日本の弥生時代を思わせる高床式住居で暮らしている。ワ族の若者は女も男も容姿端麗で色が黒いことが美男美女の条件だそうだ。女は黒い真珠、男は黒い馬に象徴されると言い、男の子はジャニーズ事務所にでも入れそうな顔をしていた。
イ族は青と白の民族衣装を着て農業を営んでいる。どの家にも牛がおり、鶏がおり、お客が来ると鶏をしめてもてなすそうだ。機械化されるずっと前の日本の農家と似ていると感じた。
ワ族もト族も、黄河の方(つまり中国の北側)の漢民族の勢力に押されて南下して来た稲作文化の人達で、紀元前にその文化が日本に伝わり、日本に稲作が根付いたのではないかという説もあるらしい。
日本に邪馬台国が出来、卑弥呼が登場するよりずっと以前の話である。
古代文明の頃の暮らしを今も残している少数民族の暮らしを目の当たりにすると、何千年の歴史も、何千キロの距離も越えてしまう悠久の中にタイムトリップしてしまい、自分が日本人で、どの時代に生きているのかもわからなくなるような不思議な感覚を抱いた。こういう気分は生まれて初めてだ。
何度も言うが中国は広い。上海の繁栄と雲南の秘境が同じ国とは思えないもの。
今も古代とさして違わぬ暮らしをする人の田んぼのど真ん中を、ものすごく広い高速道路が突き抜けており、近代的なガソリンスタンドの裏にあるトイレが、穴掘っただけの、囲いも布で風が吹いたら丸見えみたいなトイレだったり、中国の繁栄の歪みは明らかに感じる。不思議な国だ。
苛酷な旅はまだまだ何日も続くが、夜このページを更新する余力があったら、また書いてみるので・・・今日はこの辺で・・・。