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タミフル

インフルエンザの特効薬、タミフルをめぐる問題だが、かつて奇形児を生んだ薬剤「サリドマイド」や、アメリカがベトナム戦争で使った「枯葉剤」を例に挙げて騒いでいるワイドショーがあり驚いた。その取り上げ方は、あまりにも安易だし、混乱を招くと思うからだ。
私もタミフルのお世話になったことがあるので、よくわかるのだが、あの薬は実によく効く。
もし、鳥インフルエンザが人間の体に入り、人間にも感染する強力な新型インフルエンザが発生し、世界に蔓延した場合、タミフルが特効薬となるだろう。
今日(3月23日)のニュースによれば、タミフルを飲んだ後に異常行動を起こしたとされる例が23件、死亡例が8件だそうだ。
8人の命を軽く思う訳では決してないが、一方でタミフルによって救われる命があることも忘れてはならない。
厚生労働省の調査も後手後手で頼りないが、すぐにタミフルを禁止しないから怠慢だという論調で、厚生労働省を叩くのも違うと思う。権力に立ち向うことこそ、ジャーナリズムの存在意味であるが、こういう立ち向かい方は筋違いで、逆に信頼を失うと思う。
何日か前、とりあえす10代の患者にはタミフルを使うことを控えるようにと声明を出した厚生労働省だが、その理由が、10代だと異常行動をおこした場合、親が取り押さえられないからだというではないか。そんな理由で10代への使用を控えろなんて・・・。
とにかくあれこれ言う前に、因果関係を調査して欲しい。
熱が高いだけでも子供は異常行動を引き起こすし、タミフルを使うようなインフルエンザは、高熱を伴う重い症状を伴っている。その患者の病状と、他の薬との併用など、因果関係はまだ何ひとつ明らかにされていないのに、タミフルを封印するような方向に行くことは問題だ。

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