2010年08月 アーカイブ
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記者会見
今日「セカンド・バージン」の最初の小さなお披露目記者会見が、スタジオであった。
鈴木京香さん、深田恭子さん、長谷川博己さん、それにプロデューサーと私が出席。
記者さんからの質問もいつになく多く、活気のある記者会見で、うれしかった。
その中で「個人的に不倫をどう思うか?」という質問が出た時、深田恭子ちゃんが次のように答えたのが印象的だったので紹介したい。
私の言葉で要約すると・・・演じるということは、自分の経験を元に構築することばかりではない。作家が描き、演出家が演出する“自分とは違う人物”を造形するのが私の仕事であって、自分が不倫をどう思うかということは関係ないと思う。
というようなことだったと思う。
頭のいい発言で、思わず拍手してしまった。ハリウッド女優のような、自信に満ちた毅然とした応答だと感じたからだ。
彼女の役は、このドラマの中で一番変身する役なので、これまでにない深田恭子になるのではないだろうか。
記者会見前の収録で、鈴木京香さんは、会社で新聞を読むシーンを演じていた。
そこで彼女が老眼鏡をかけていたのに、ドキッとした。
17歳年下の男性との恋愛に身を焦がしている設定なのだが、さりげなく老眼鏡もかける。
女優さんの中には、老眼鏡なんて絶対イヤだという人も結構いるので、京香さんの肝のすわり具合にも感動した。
10月12日から毎週火曜夜10時、連続10回「セカンド・バージン」
絶対見てね。
トリュフォーみたいに・・・。
『夏子と天才詐欺師たち』ご覧下さったみなさま、ありがとうございました。
次のドラマは10月12日から毎週火曜、夜10時~
『セカンド・バージン』です。
去年に暮れ、NHKのドラマ部長に「トリュフォーみたいなドラマを」と言われたのが、このドラマの始まりでした。
「トリュフォーみたいな愛の不条理は、2時間の映画ならいいですけど、10回連続では・・・」と私は答えましたが、部長に、今までテレビドラマではやらなかったことに突っ込め、と言われていることだけはわかりました。
トリュフォー監督は、私が30代の頃に亡くなったのですが、大好きな監督だったので、新聞で死亡のニュースを見た時は、思わず涙が出ました。会ったこともない人の死に涙したのは、この時だけです。
トリュフォー監督晩年の『隣の女』みたいな作品になれば・・・と思って考えました。結局ぜんぜん違う話にはなりましたし、天才トリュフォーには及びませんが・・・ご期待下さいね。
夏子と天才詐欺師たち
今週の土曜日、単発ドラマが放送されます。
14日(土)テレビ朝日系(ABC制作)21時~
『夏子と天才詐欺師たち』
出演は、藤山直美、鈴木京香、岸辺一徳ほか。
直美さんとはこれまで2回、朝ドラでご一緒していますが、これが民放ドラマ初主演。
あの方は基本的にテレビには出ないのですよ。
演出は長沖渉さん。
NHKで『ふたりっ子』『オードリー』『ふたつの愛』『終のすみか』を一緒にやったディレクターで、彼の民放デビュー作でもあります。
長沖さんの長年の友人である直美さん、京香さん、一徳さん、そして私が集まって、彼の門出を祝おうということになり、直美さんの民放初主演が決まったのです。京香さんだって、単発ドラマには主演でないと出演してもらえない人ですが、これも直美さんとの共演の魅力と、長沖さんの人徳です。
芸能界は冷たい所だと思われがちですが、深い思いでつながっている人達もいるんですよ。
裏番組、倉本總先生の『帰国』に比べ、私達のドラマは地方局製作で低予算ではありますが、みんなの気合は、裏番組に負けないものがあると確信します。
ぜひご覧下さい。
10月から始まる『セカンド・バージン』とはぜんぜん違うタッチのコメディーです。
長谷川博己
ブルネイに行った。
その旅行記は婦人公論の連載エッセイで書いているので、次に発売される号で読んでね。
猛暑の中、『セカンドバージン』のロケが続いている。
スケジュール上は9時から22時くらいまでの撮影だが、押せば25時にもなるのがドラマの収録。
スタッフもキャストも、それはそれは大変だ。
役者は華やかな側面と、地味で苛酷な側面の両方を抱えて生きている。どちらに偏ってもダメだ。
この作品で大抜擢の長谷川博己は、2008年の『四つの嘘』(テレ朝)、2009年の『ギネ』(日テレ)にもレギュラー出演していた。
『四つの嘘』の時は、本当にチョイ役だったけれど、才能は際立っており、これはいい! と思って途中から役を大きくした。
蜷川さんの舞台では主役も勤めているので、芝居の世界では評価の高い人なのだが、何とか彼を映像の世界でも羽ばたかせたいと、あれ以来思うようになった。
『ギネ』の時も藤原紀香の別れた夫を演じたが、この時は思うように役が膨らまず、この次こそ・・・と、密かに思っていた。
今回、NHKのプロデューサーに「男の主役、長谷川博己じゃダメかしら?」と言ってみた。ダメ元で・・・。
そうしたらプロデューサーも彼を知っており、「将来の宝となるように育てましょう!」と言ってくれて、とんとん拍子に決まってしまったのである。
こういう大抜擢は、他の局ではほとんどない。
鈴木京香と深田恭子に愛される役なのだから。
この二人の女優が並び立つことも、他の局の連ドラではありえない。
NHKならではのキャスティングである。
彼に決まった時は本当にうれしかったのだが、台本を書いていくうちに、あまりに大役なので、時々不安になった。大丈夫だろうか・・・って。
しかし、ここまで来たら信じるしかない。
主役として堂々と存在し、大きく羽ばたいて欲しいと、毎日祈っている。まるで母親みたいに・・・。
自慢じゃないが、私が「いい!」と直感した男優はみな育つ。
内野聖陽しかり、佐々木蔵之介しかり・・・。
だからきっと、彼も大丈夫だろう。
何年か経つと、引く手あまたになり、私のドラマになんか出てくれなくなるんだろうな。
内野聖陽にも、佐々木蔵之介にも、断られっぱなしだもの。
ま、それもいいんだけどね。