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追悼


ドラマの中の猫レタ君はおとなしい子だが、うちのアランは暴れん坊。

昨日、作詞家の星野哲郎先生がなくなった。
類稀なる才能と、美しい風貌を持たれた先生だった。
週刊ポストにエッセイを連載している時、星野哲郎先生の“詞”と“お顔”が好きだと書いたら、直筆のお手紙をいただいた。
「オオイシさんに誉められて、その日は一日しあわせだったよ」と、娘に語るような感じで書いてあり、本当に驚いたのを思い出す。
「一度会おうね」とも書いてあったが、お目にかかることはなかった。
それからしばらくして、ホテルニューオータニのロビーでお見かけし、お声をかけたいと思ったが、他のお仲間も大勢おられたので遠慮した。
「ドブに落ちても根のある奴は、いつか蓮の花と咲く」という歌詞が、遠い昔、10代だった私の胸にストンと落ちた。
以来、私はいつも根のある人間でありたいと思い、根のある作品を書かなければならないと素直に信じて来た。
一行の詞が長く人の人生を支えることがあるということを、星野先生は教えてくれた。
トリュフォーが亡くなった時と同じくらい哀しい気分。
この文章を書いていても目の奥があつくなる。

小説版「セカンドバージン」22日首都圏、24日全国発売。

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