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文部科学省の欺瞞+マスコミの不可解

多くの公立高校で、履修単位漏れ(多くは世界史)で、生徒が卒業できそうにない、という事件がおきている。
しかし聞けば、こんなことは地方紙では、以前から報道されているのだそうだ。
と言うことは、多くの高校で、しかもかなり前から、こういうことが行われており、そのことは文部科学省もマスコミも関係者(学校、生徒、親)も知っていたということだ。
そう思うと、鬼の首を取ったように騒わぎ出したマスコミもいい加減なものだと思う。
生徒が卒業できないなんてこともなくて、今までも黙認というか、非合法処理(?)で卒業させていたのだろうし、今回も抜け穴があることを承知してやっているとしか思えない。生徒にしてみれば当然だと思うし、自校の進学率を上げたいのか、生徒を希望大学に一人でも多く入れてやりたいのか、どちらにせよ高校側にとっても当然のことだと思う。
いい大学へ進むことが、ますます厳しくなって来た競争社会の中で、みんな必死になってあの手この手を考えているのだ。
それを、こういうことが行われていることを見て見ぬふりをしてきた人々が、建前を振りかざして、突然、批判を始めたのはどうしたことか?
安倍総理の「学校側はもっと緊張感を持ってほしい」というコメントも、思いっきりヌルい。高校側はまさに「緊張感を持って」こういう綱渡りのような選択肢をやっているに違いない。
生徒は、こういうことで「世の中には裏も表も、抜け道もあるんだなあ」と学ぶだろう。(今、そういうことを知る必要があるかどうかはともかく、学ぶことは確実に学ぶだろう)
「まじめに必修を取った子がかわいそうで不公平だ」という意見もあるだろうが、世の中にはズルがあるものだと学ぶことは無駄ではないし、それでも自分は自分なんだからズルなんかしないぞ、という子も、逆に育つだろう。
大河ドラマを書いて思ったのは、小中高の歴史教育を、もっと充実させた方がいいということだ。その歴史を軽視している文部科学省こそが諸悪の根源ではないのか。
それこそ、歴史を受験の大事な科目にすれば、みんな勉強するんだろう。歴史を学べば、物事は一面から見ただけではわからないのだということが理解できるし、頭を使って物事を考えるようになるだろう。
それにしても、マスコミはなぜ急に騒ぎ出したんだろうか。とても不思議。目に余る事態になって来たということなんだろうか?
或いは、どこかの政治家のバカ息子が、いい大学に入れそうもなくて、父親に「パパ、みんな、こんなズルしてるんだぜ」と垂れ込んだとか・・・? 
脚本家なもので、ついこういう想像をしてしまうのだけれど・・・。

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