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『氷壁』と『輪舞曲ーロンド』

先週、マコトが死んで以降、テレビを見る気もしなかったのですが、週末は見ました。
NHK土曜ドラマの『氷壁』、TBSの日曜劇場『輪舞曲ーロンド』は、見ごたえありました。
もちろん『功名が辻』もよ・・・ウフフ・・・。
『氷壁』は、原作をはるかに超えたスケールで、2話は1時間見たらグッタリ疲れてしまいました。なぜなら自分がK2に登っているような気持ちになってしまったからです。私もドラマ創りのプロなので、他の人のドラマで、こういう気分になることは、あまりないのですよ。
生きていることを確かめるために、命の瀬戸際に挑戦する山の気持ちが、実によく描けています。男の友情も色濃く、「お前が好きだ~!」と、遭難しそうな時に叫んで、意識不明になりそうなパートナーを覚醒させる場面では、鳥肌が立ちました。またこの二人が、一人の女に惚れているところが、複雑で色っぽいのです。ん~・・・。
去年の夏、このドラマの演出家の長沖さんにNHKでバッタリ逢ったら、真っ黒に日焼けしておられ、南半球まで雪山を求めてロケに行った話を聞きました。本当にNHK始まって以来の大型ロケーションらしいですよ。だからと言って、人の気持ちの動きも映像に負けていません。さすが大好きな長沖さんの演出です。脚本より演出だなって感じ・・・かな? 一応、商売敵には厳しいので・・・私・・・。
ただ、このドラマの視聴率、あの感動の2話が何と7,2%だったのだそうです。新枠なので、なじみがないのかも知れませんが・・・。
この土曜ドラマの枠は、今のドラマ部長の悲願で出来た枠で、昔のドラマ人間模様のような、深いテーマを扱うことの出来る、実にNHKらしい枠なのです。私もぜひ書きたい枠だと思っていたので、NHKさんには、この枠を守り育てて欲しいと切実に思います。枠が視聴者の意識に定着するのには、何年かかかると思うので・・・。
ところで、このドラマの主役の玉木宏君は、『功名が辻』にも、山内一豊の弟、康豊の役で出ています。あんまり大きな役にならないと思っていたんですが、この『氷壁』の芝居を見て、一気に玉木君をいい役にしよう! と決意したオオイシです。もちろん役の重さは、プロデューサーやディレクターの意向もありますが、やっぱり脚本家の筆先ですから・・・。玉木君、断然いい役になりますよ!

TBSの『輪舞曲ーロンド』のチーフ演出は、平野君という若い人(といっても、30代かな、もう?)で、何年か前、『あきまへんで!』というドラマをTBSでやった時は、まだADでした。最近、演出家として頭角を現して来たんですが、個性的な映像ながら、人の心もきっちりと捉えていて、才能を感じます。平野さんとも仕事したいな~と思いました。
チェ・ジウの魅力は、今のところ、まだよくわかりません。きれいだけれど、きれいなだけ・・・芝居もそこそこ・・・。チェ・ジウに関しては、これからに期待です。

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