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ベルリンの壁崩壊から20年

ベルリンの壁崩壊から20年。
テレビでは、様々な切り口のニュースが流れていた。
20年前、検問所の扉を開けた人は今、66歳。
東側の検問所の所長だったことから、統一後は職がなく、苦労したと語っていたが、その顔つきの穏やかさに驚く。
自分が市民を傷つけて来たことを認めるのには長い時間がかかったが、今はよくわかるのだと語っていた。年金生活になるまでの苦労は、自分に必要な時間だったのだと・・・。
テレビカメラの前だから言っている奇麗事だとは思えない。なぜならカメラは嘘をつかないからだ。嘘くさい人は嘘くさく映し出す力があるからだ。
例えば・・・。先日、新フジテレビ批評という朝の番組に出た。生放送だったのだが、その時の放送を録画で見て、自分のふてぶてしいオバサンぶりに愕然とした。私の風貌の殺伐とした感じは、今日テレビで見たドイツ人にはなかったもの。
今夜のニュースでは、様々な人が20年前を語っていたが、「すべての人は勝者だ。壁崩壊以来、国境で射殺される人はいなくなったのだから」という会社の社長も、「資本主義の限界を、この20年で知った。豊かになると人はその豊かさに慣れてしまい、様々なものが欲しかった頃の自分を忘れ、世の中は腐る」という牧師など、50代、60代、70代の人は、何そしゃべってもみな豊かな表情なのだ。
若者より老人の方が魅力的になれる国なんだな、ドイツは・・・と思う。
厳しい表情で生きているであろう自分の顔を鏡に写し、何だか寂しい気分になった夜だった。


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