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ピーター・シェ―ファー逝く

今朝の新聞で、劇作家、ピーター・シェイファーが90歳で亡くなったことを知った。
30歳くらいから10年に1本のペースで、世界的大ヒット作を、発表して来た劇作家だ。
『ブラック・ユーモア』『エクウス』『アマデウス』は私も見ているし戯曲も読んでもいる。
舞台版『アマデウス』のラスト、サリエリの台詞に「これからわたしが、才能なきゆえに苦しく者の守り神となろう」というのがある。
ちょこっと才能があるがゆえに、天才と自分との差に苦しむ者の、守り神になろうということだ。
30歳そこそこだった私は、この台詞に涙した。
多分、ちょこっとした才能は私にもある。だからつき抜けた人に嫉妬を感じる。あの頃の私の気持ちにピッタリの台詞だった。
また、この人の「人間は感動することによってのみ変化する」という言葉は、私の座右の銘でもある。
教室でも戦争の悲惨さは教えられるが、映画や芝居やテレビを見て涙を流した時、人は本当に戦争の恐ろしさを知る。私達の仕事は尊い。と真正面から言っており、若い頃、驚いた。
日本人はシャイで、こういうことは思っても言わないもの。それを堂々と言う欧米の感覚が新鮮だった。
天才的劇作家とはいえ、欧米の作家は名作を1本書けば10年生きられる所が、たまらまくうらやましいと、ずっと思ってもいた。
1年休んだら忘れられてしまう私達は何なのかな・・・。
ご冥福をお祈りします。

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