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壮絶な人生

『ロマン・ポランスキー 初めての告白』という映画を見た。
母をアウシュビッツで失い、あちこちに逃亡しながらホロコーストを生き延び、戦後、映画監督として名を成してから、妊娠中の妻をオカルト集団に惨殺され、その後、淫行で逮捕されるという、信じられないような特殊な人生を生きて来た名匠ポランスキー監督。
自らの人生を淡々と語る監督の姿と、昔の映像や写真だけの映画だが、90分、まったく飽きない。
穏やかな語り口調だが、監督の様々な感情は、その表情から読み取れるし、何より、どんな悲惨な環境の中でも才能は花開き、その才能が、人をどん底からも引き上げ、再起させるのだということが、よくわかった。
そして、私のあまりに平凡な人生は、何なのか? と思ってしまった。
ポランスキー監督の映画では、私は「テス」「チャイナタウン」「戦場のピアニスト」「ゴーストライター」を見ているが、監督は葬儀の時、お棺の中に映画のフィルムを入れるなら、「戦場のピアニスト」を・・・と言っていた。
「私は楽天家なのだ。ボトルの中に水が半分しか残っていなくても、残った水しか見ない」という言葉も印象的だった。

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