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ベランダの椿


ベランダの椿が満開だ。
花の寿命の短さは桜と同じだが、椿には桜のような狂気がない。
桜はとんがっているが、椿は穏やかだ。
私が生まれた家には、椿の木が沢山あった。
今思えば広い庭だったな・・・。
この先、庭のある家に住むことなんかないだろうと思うと少し寂しい。
生家の椿は父が丹精したものだった。
今ベランダにあるのも、その中の1本で、つぎ木したせいか、赤い花と赤白まだらの花が1本の木に両方咲く。
引っ越しのたびに、この1本だけは一緒に移動して来た。他の木はみんな見捨ててしまったけれど・・・。
満開のまま、ポトンと落ちる椿の花を拾い、水をはった皿に乗せる時、命の最期は美しいと感じる。
人の命の終わりは必ずしも美しいとは言えないから、だから椿の最期に惹かれるのかな?

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